韓国のパククネ(朴槿恵)大統領が、韓国の就職説明会で行った演説を見ました。
内容を見てみると、韓国も日本と同じような問題に直面しているんだ、ということがわかります。
演説の内容を一言で言えば、「私たち政府ができることについてはできる限りのことをするから、あなたたち(企業・若者)はあなたたちで頑張ってよね」です。
これだけでは何のことかさっぱりだと思うので、演説内容をここにまとめてみます。
(この場に立てて)あたし嬉しい。
ジョブフェア開幕おめでたいわ。
ところで雇用って大事よね。雇用って最高に大事。雇用こそ国民みんなの幸福の基盤よ。
なんだけど、世界的な不景気もあって、私たちの産業もさっぱりよね。
産業構造をちょっといじって新陳代謝を促したいところだけど、ガチガチの労働市場が邪魔するんよね。なぜガチガチかっていうと、もうはっきり言うわ、既得権益の保護に躍起(やっき)な一部の大企業や公共部門のヤツらが、改革法案を国会で通過させてくれないのよ。回転寿司で食べたいネタが自分より前の席のヤツに全部取られちゃう気分だわ。
まあ、残念よね。
今ってさ、革命の時代よ。第四次産業革命の時代よ。
この第四次産業革命時代において、大事なことは二つ。そう、創造的な技術革新と果敢な挑戦。この二つこそが、国家競争力の源泉であり、雇用創出のエンジンなのよ。
この時代の流れに乗って、国としても創造経済と文化隆盛の実現に力を入れてきたんよ。これからも、あなたたちのために規制改革とか頑張ってくからね。頑張ってくから、
だ・か・ら
ベンチャー企業やスタートアップ企業さんたちは創造的な技術革新を頑張って。そして、若い人たちは果敢に新しい仕事に挑戦してよね。
その他のことは政府が支援してあげるから、技術革新と挑戦についてはあなたたちが頑張ってほしいの。お願いよ。成功を祈ってるわ。じゃあね。
まー、かなりの意訳をもとにまとめると、こうなりました。雰囲気は変わってますが、言っている内容はだいたいこんな感じです。
要するに、政府は経済活動の環境を整えたりはしてあげるけど、技術革新や挑戦という最も大事な部分は国民にお願いしますよ、ということです。成熟した資本主義の世界では、政府が経済成長のためにすべきことって、実はあまりないんですね。むしろ変な規制作ったりして国民の自由な経済活動の邪魔をしないことが大事。
こういう話を聞くと、技術革新や挑戦(そして成功)って、頑張れと言われて出来るものじゃないと思うし、気づかされるのは、本当に国民の能力、実力、これまで努力、これからの努力が、試される時代なんだということですね。いや、むしろ才能やセンスの重要度が一段と増した時代とも言えるかもしれない。
才能格差の広がる時代に突入、ってことでしょうか。