村上春樹という作家はご存知ですか?
近年は毎年のようにノーベル賞候補としてメディアで取り沙汰される人物なので、名前だけでも知っている方は多いと思います。
今日は、村上春樹という名前は聞いたことあるけど、よく知らないという人のために、簡単な経歴、プロフィールとおすすめ作品についてまとめてみました。どうか参考にしてみてください。
では京都から。
1949年、京都市伏見区でオギャー。まもなく転居し、兵庫県西宮市・芦屋市あたりでむくむく育つ。小さい時から本が好き。本棚の本を大人読みするくらい本が好き。最初に読んだ長編小説は、河出書房の世界文学全集に収録された『静かなドン』(リンクは岩波文庫)。3回も読んだ。
国語教師の両親が日本文学をゴリ押しするのに消耗し、ヽ(´Д`;)ノアゥアてな感じで、外国文学に傾倒。高校時代には自己流で洋書を乱読。
恋愛できない真面目系かと思いきや、高校時代には彼女がいた。兵庫県立神戸高等学校、早稲田大学第一文学部演劇科卒業。
ガリ勉かと思いきや、早稲田には特に大きな苦労もせずに入学。英語は洋書を読み漁っていたからそこそこ読解力はあった、国語はとにかく本好きだったから問題はなかった、世界史は、中央公論社の『世界の歴史』 という全集を中学時代から10回も20回も読み込んでいたから特に勉強する必要がなかった、ということらしい。
大学入学後まもなくして受けた英文和訳の試験でクラストップになり、たいしたことねーな、ということで授業に出なくなり、勉強もしなくなり、ひとまず留年。
好きな香りは、高校時代、気持ちの良い夕暮れの中、ガールフレンドと二人で散歩をしている時にふと漂ってきた彼女のシャンプーの匂い。
大学時代の彼女と学生結婚し、在学中に「ピーターキャット」という名前のジャズ喫茶を開業。軌道に乗る。酔っ払いを店から追い出したこともある。
店の経営の傍ら、何とか大学の単位を取得し、無事卒業。卒論では『イージー・ライダー』を論じたが、店の仕事は決してイージーではなく、朝から晩まで馬車馬のように働いた。
店ではたくさんの玉ねぎをみじん切りにしていた。涙を流さずに玉ねぎをみじん切りするコツは、涙が流れる前に切り終えることということを学ぶ。
1978年(当時29歳)、明治神宮野球場で野球観戦中に小説を書くことを思い立つ。ジャズ喫茶を経営する傍ら、毎晩キッチンテーブルで小説を書くようになる。完成した作品『風の歌を聴け』を『群像』に応募。結果、第22回群像新人文学賞を受賞。受賞の知らせを受けた時は、応募していたことをすっかり忘れていた。
1987年(当時38歳)、『ノルウェイの森 』を刊行。上下430万部の大ベストセラーとなる。なお、2作目『1973年のピンボール』を発表後、ジャズ喫茶経営からは身を引いている(1981年)。
好きな本ベスト3は、『グレート・ギャツビー』、『カラマーゾフの兄弟』、 『ロング・グッドバイ』。どうしても1冊選べと言われたら、やっぱり『グレートギャツビー』。でも、無人島に一冊持っていけるなら『リーダーズ英和辞典』 。気が向いた時にこの辞書をぱらぱらとめくって読みふけるのが楽しい。
というような具合です。
その後小説家としてのキャリアを着実に積んでいき、今では、ノーベル賞云々と騒がれるほどの大きな作家になられました。日本だけでなく、アメリカ、イギリス、中国、韓国、ロシア、スペインなど、世界各国で大きな支持を得ている状況です。その作品や人気の理由などが、様々な場で論じられ、また、村上チルドレンと呼ばれる、村上春樹の影響を強く受けた人たちも台頭中です。
それではまだ彼の作品を読んだことのない方のために、個人的におすすめのものを紹介します。
バブル絶頂期の東京が舞台。主人公の「僕」は会社を辞めてジャズバーを経営しています。結婚もしていて、安定はしているんですが、何か、自分の人生について、ピンとこない。そんなある日、小学生の頃、とても仲の良かった女性が彼のバーに現れます。彼女はどこか影がある感じで・・・
静かで、上品で、切々としたところのある小説です。わかる人にはわかる、わからない人にはわからない、そんな繊細な作品。
一冊目にすすめる人はあまりいないと思いますが、登場人物は少なく、ストーリーも追いやすく、それでいて村上春樹らしさは存分に発揮されていて、良いです。
彼の作品の中でも最も人気のある作品の一つだと思います。ストーリーはあまりにも村上春樹的な不思議さを帯びていて、ここに書いてもあまり意味がないと思います。冒険的で、ミステリアスで、ちょっとおとぎ話っぽい雰囲気のある小説です。
感性が合えば、何度もこの小説世界に戻ってきたくなる、そんな中毒性のある作品。上と下の2分冊ですが、全然長さを感じさせません。
どうでしょうか、参考になりましたでしょうか。このブログは、外国語の勉強をされている訪問者さんも多いと思いますが、そんな方も、彼の作品は韓国でも中国でも英語圏でも広く読まれているので、一冊でも読んでおくと外国人との話のタネになると思います。まだ読んだことのない方はぜひ手にとってみてください。合わなかった人は残念ですが・・・
本記事の参考図書およびHP: