英語学習の10大リスクに注意せよ。

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昨今のグローバル化の中で、英語学習が絶対善であるかのように語られがちだ。しかし、そのリスクについて注意を促す人は驚くほど少ない。 

経済に関するバブルと同じで、近年の英語学習ブームの波に乗り、利得を得て人生を豊かにすることもできるかもしれない。

しかし、その後にバブルが弾けてしまった時、せっかく苦労して身に付けた英語を使う機会はあまりなく、英語学習によって生まれた弊害ばかりが残ってしまう、という事態もあり得る話だ。

もちろん、一過性のバブルなんかではないということもあるかもしれないが、それは誰にもわからない。少なくとも、バブルかどうかに関わらず、英語学習のリスクを頭の隅で常に意識しておく、というのは意味のあることだろう。

ここでは、英語学習に関するリスクを思いつくままに10テーマでまとめてみたので、興味のある人は参考にしてみてほしい。 

きっと多くの気づきを得られるはずだ。

1. 人生で直面する問題をすべて自分の英語力不足のせいにしてしまう

これは本質的には人種差別と同じものだ。多数派の民族がその不満を少数派の民族に押し付けるように、自分が向き合うべき本当の問題から逃れるため、英語力の不足をすべての悪の根源としてしまう。

これは非常に危険だ。

問題の解決にならないばかりか、ずるずると本来の問題を先送りすることになり、その間に状況はさらに悪化していくことになる。

4年間付き合ってきた彼女に今日振られてしまったのは、きっと自分の英語力が足りないからだ、英検3級を取って彼女にもう一度やり直しを申し込もう、なんて思ったりしたら赤信号だ。

もちろん英語力が原因で振られることもあるかもしれないが、極めて稀な例だろう。

2. スタバで英語のテキストを開いて無駄に時間を浪費してしまう

英語学習者がやりがちな時間の無駄遣いは、スタバで英語学習だ。もちろんスタバで英語を勉強することそのものを否定するわけではない。

しかし、大して勉強に集中できず「スタバで英文図書を開いている→オレ(ワタシ)おしゃれ」という自己満足に終わっていることはないだろうか?

そうだとしたら、間違いなくただの時間の無駄遣いだ。ゲーセンでUFOキャッチャーでもしていた方がいい。

もちろんその自己満足をただ自己満足として楽しむというのはありだ。人生にはそういう余白も必要だろう。

そういうわけで、スタバでの自己満足におすすめな英語図書は↓で紹介している。

yaseteru.hatenablog.com

3. 自室で密かにアメリカ合衆国大統領と自己同一化してしまう

中上級の英語学習者が一度は教材として使ったことがあるかもしれないのは、アメリカ合衆国大統領のスピーチだ。そしてありがちなのは、自室でひとりそのスピーチを音読しているうちに興が乗ってきてアメリカ合衆国大統領になりきってしまうことだ。

それだけならいいが、そのノリが抜けきれずに外での交際でアメリカ合衆国大統領がぽろっと出てきてしまうのは危険である。

例えば、友人との旅行で、われわれの旅に近道はない、というオバマ元大統領の就任演説を引用したりすれば、その友人からやや距離を置かれることになるかもしれない。旅行の間はずっとその距離を縮めてくれないかもしれない。

あるいは、自分にも大統領令が出せるのではないかと思い始めたら、これもまた赤信号だ。誰かにパシられて自分の身の程を知ろう。 

4. 英語が目的化して本来の自分の気持ちを見失ってしまう

真剣な学習者ほど陥りがちなのが、英語という言葉そのものが目的化してしまうことだ。

例えば、ネイティブと英会話で「どんな男性が好みなの?」と聞かれて、本当は「スレンダーで色白の男性」が好きなのに最近覚えた「背が低くてムキムキ」という表現が使いたくて「背が低くてムキムキな男性が好きよ」みたいに答えてしまうことである。 

本当はまず言葉以前の自分の気持ちがあって、それを英語で丁寧に言語化するべきなのに、英語という言葉ありきでコミュニケーションをしだすと、問題は大きい。

英語を話せば話すほど本来の自分を見失っていき、何のために生きているのか、という切実な問いが頭にもたげてくるだろう。

5. 空気を読む能力が低下し、周りからKY認定されてしまう

これは上に書いたことと関連していて、あなたの中で「言葉」が「気持ち」よりも優位になってくると、物事を感じ取る能力が低下してしまう。

日本人にとって非常に重要な「空気を読む」という行為は、まさに感じ取る能力があってのものだ。その能力が低下するということは、空気を読む能力が低下することに他ならない。そうなると、あなたはめでたくKY認定だ。

周りの日本人女性が「やっぱりスレンダーで色白な男がいいよね」と仲むつまじく言い合っている中で「いや、背が低くてムキムキの男が一番よ」なんて言い放った暁には、村八分が待っているかもしれない。 

ちなみに、「空気を読む」は英語でread the roomだ。

6. 英語ネイティブによる動画というだけ中身のないコンテンツまでありがたがって見てしまう

英会話学校や英語教材販売会社の長年の広告による影響のためか、「英語ができる→頭がいい(あるいはスマート、カッコいい)」というイメージが、多くの日本人に共有されてしまっている。

しかし、これはフィクションだ。

もちろん、語学を習得するには最低限の論理的思考力や理解力が必要なので、多少は真実かもしれないが、それでも過信は禁物だ。

この過信が行き過ぎると何が問題かと言うと、英語ネイティブがみんな頭いい人に見えてしまうことだ。そうなると、海の向こうのオタクたちがPokemon GOについてだらだらしゃべっているだけの動画を過大評価して、崇拝してしまうことになったりする。

流暢な英語で語られているというだけで中身を過大評価してしまわないように気をつけよう。

オタクのレベルは日本人の方が上だ。

7. 自治会の総会でshrug(シュラッグ)してしまう

shrug(シュラッグ)というのは、例えばアメリカ人が「さあ、知らないね」と言う時によくやるあの肩をすくませる動作のことだ。

英語を話すとついついジェスチャーも欧米化してしまうのはよくあることである。興が乗ってきて中には1秒単位でshrugをし続ける人もいるかもしれない。それは別にかまわない。

しかしその癖が日本人しかいない場で出たりすると、ちょっとイタいかもしれない。

例えば、自治会の総会という極めてローカルな場で、shrugなんてすれば、赤っ恥だ。おばあさんに「肩でも凝られているんですか」と誤解されたなら、まだ運が良かったかもしれない。

いや、どうしても癖でshrugしてしまう、という人は肩に剣山でも付けて防止しよう。

8. 自分より英語ができる人に対して「英語だけできてもだめで、自国の歴史や文化についても知らないとダメ」と偉そうなことを言ってしまう

英語の習得には多大な労力が必要となるので、自分より苦もなく英語を操る人に出会うと、ついつい嫉妬してしまいがちだ。

そうするとつい相手のあら探しをしてしまい、「英語だけできてもだめで、自国の歴史や文化についても・・・」なんてことを言い出してしまう。

もし、相手が英語にも自国の歴史や文化にも通じていたら、「英語ができて、自国の歴史や文化について知っているだけじゃダメで、日本舞踊くらい踊れないと・・・」なんてことを言い出してしまう。

理想を偉そうに語るだけのイタい人にならないよう注意しよう。

9. 自分より英語ができない人に対して「これからは英語くらいはできないとダメ」と偉そうなことを言ってしまう

同じく、真剣に英語を身に付けようと努力している人ほど、自分よりはしごの上にいる人の足を引っ張る一方で、自分よりはしごの下にいる人を蹴り落とそうとしがちだ。

TOEIC400点の自分の前に、TOEIC385点で年下で自分より3倍カワイイ女の子が現れると、「これからは英語くらいはできないとダメ」と威圧的に迫り、相手の自信と士気を失わせようとする。

表向きは「そうなんですよー、自分はまだTOEIC385点しかなくて・・・400点とか今の自分には絶対むりです。また勉強法とか教えてもらっていいですか?」なんて言ってくれるかもしれないが、裏では軽蔑されているにちがいない。

英語力序列に無駄な力を浪費したあげく、かわいい年下に嫌われることのないよう気をつけよう。 

10. 日本語に主語をつけて話すようになってしまう 

日本語と比べた場合の英語という言語の特徴の一つは、主語を導入することにより、動作などの主体をはっきりさせることだ。

例えば、日本語で「今行きます」と言う場合、行く人が状況的に明白なら、わざわざ「私」や「彼」と言った主語を入れない。

しかし、英語の場合は、「I'm comming(今行きます)」という風に必ず主語がくっ付いてくる。

この主体を明確にするということに慣れてしまうと、日本語でしゃべる時もついつい同じようにしてしまうことがある。

例えば、状況的に明らかに「私」しか行く人がいないのにわざわざ「私いってきまーす!」と言ってしまう、という具合である。

この話法は日本人にとってかなりウザいので、避けるべきだ。