『源氏物語』読書マラソン13。
大塚ひかり訳『源氏物語』のP49〜51まで読み進めました。前回の続きとして紹介記事を書いていきます(斜体のところは引用です)。
ではどうぞ。
ミカドは年月を経ても、亡き桐壺(きりつぼ)のことが忘れられません。それっぽい人たちを入内させてみても、やはり桐壺本人には遠く及ばず、落胆。
恋愛アレルギーっぽくなってきたところで、自分に仕える典侍(ないしのすけ)から朗報が。先帝にも仕えていた人ですが、彼女によれば、
「今まで桐壺のそっくりさんって見たことなかったけど、先帝の奥さんが産んだ女四の宮(おんなしのみや)は、かなりキテる。桐壺と瓜二つに育ったよ。めっちゃ美人やし」
とのこと。
するとミカドは、
「本当だろうか」
と、疑う素振りを見せつつ、たぶん内心ウキウキバラ色。熱心に入内を勧めます。
女四の宮の母は、弘徽殿による桐壺いじめのことを知っているので、娘の入内に気が進まないようでしたが、やがて亡くなってしまいます。
母を失い、心細くなった姫君(女四の宮)。
結局、ミカドの熱心な勧めと、姫君に仕える女房、サポーター、兄弟の働きかけにより、彼女は入内することになります。
彼女は、藤壺と呼ばれます。
藤壺は、父は先帝、母はその后(きさき)というデラックスな身分。桐壺は、身分不相応に寵愛されたためにいじめられましたが、彼女はナメられない身分なので、ミカドも安心して可愛がることができるのでした。
ミカドが年月を経てもずっと思い焦がれていた桐壺の幻影が、今、藤壺として目の前に結晶化しました。
元カノ(亡き妻)に似ているからと、ミカドに愛情を注がれる藤壺。
いつか仲違いした時に「あなたが求めているのは桐壺で、このあたしを愛しているわけじゃないのよっ、きっとそうだわ!さようなら、もう嫌い!」みたいなことにならないか、今からちょっと心配になるミカドと藤壺との出会いでした。
読み進めているのは、古典エッセイストの大塚ひかりさんが訳された『源氏物語』です。いくつもある源氏物語の日本語訳の中でも特に現代的な訳で、かなり読みやすいのでおすすめ。