『源氏物語』読書マラソン12〜若宮のチャラ男化を見通せなかった高麗人の人相見〜

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『源氏物語』読書マラソン12。

大塚ひかり訳『源氏物語』のP46〜49まで読み進めました。前回の続きとして紹介記事を書いていきます(斜体のところは引用です)。

ではどうぞ。

 

ミカドと亡き桐壺更衣(きりつぼこうい)の子である若宮が、高麗人(こまうど)の人相見(にんそうみ)に引き合わされる場面です。

優れた人相見であるこの高麗人の観たところ、この若宮は、「帝王になる相ではあるけれど、そうなると世が乱れそう。でも、朝廷の重鎮という相でもない」。

一言でいえば、「どうなるかようわからんけど、なんかすげえ」。

帰国間際にそんな「なんかすげえ人物」に会えたことに、高麗の人相見はテンションあげあげ状態。

いくら人相見として優れた彼でも、この若宮がチャラ男というか、すげえプレイボーイに育っていくことは、見通すことはできなかったのでした。

君でも臣でもなければチャラ男か仙人と決まっているのに・・・

ミカドは結局、外戚の後ろ盾のない状態で親王にしても心もとないということで、この若宮を「源氏」として朝廷の臣下にする決心をします。

東宮は弘徽殿の子とすでに決まっているし、親王にするには後ろ盾が弱い、じゃあチャラ男に、というわけにはいかず、ちょっと残念だけど臣下として政治を補佐させるか、というところですね。

 

読み進めているのは、古典エッセイストの大塚ひかりさんが訳された『源氏物語』です。いくつもある源氏物語の日本語訳の中でも特に現代的な訳で、かなり読みやすいのでおすすめ。