もう5年以上中国語の勉強をして、その間に1年間の留学も経験しましたが、未だに、中国語の会話は全然余裕、ということはありません。
特に聞き取りですね。
喋る方に関しては、自分で工夫し、何とか言いたいことを伝えることも可能です。
例えば、何か料理を食べて、たとえ「さっぱりした味ですね」と言いたくて「さっぱりしている」という中国語がわからなくても、「美味しい」と言って済ます、という手が使えます。
要するに言いたいことは「美味しい」ということですから。
さらに言えば、「美味しい」という言い方がわからなくても「很好(良いです)」と何度も言ってニコニコしていれば、何とかなるものです。
が、聞き取りはこうした工夫の余地が少なくなります。聞き取れなければ、そこでストップです。
聞き返すこともできますが、あまり何度も聞き返すと、相手もイライラしてくるので要注意。
そこで今日は中国会話の聞き取りのコツを紹介しましょう。ここ何日か一日中、中国の方と会話する機会がありましたが、基本的には大きな支障もなくコミュニケーションがとれています。
実用的な語彙を身に付ける
どんな語彙が実用的か、というのは話す場面によって異なりますが、ここでは日常会話ということにします。
本当に基本的なことですが、語彙力は重要です。
例えば、「好きな動物は何?」と聞いて、「リス」と返事がきても、「リス」の中国語がわからなければ、聞き取れません。
動詞や形容詞に関しては、日常会話で使われるものは限られているので、問題は名詞です。
今のところ名詞の習得で一番役に立っているのが、『暮らしの中国語単語10'000』です。
折に触れてはパラパラとめくり、できるだけ覚えるようにしています。
また、会話で言えなかった単語は、後でこの本を開き、確認し、これもまた覚えるようにしています。
今のところ最も利用頻度の多い中国語テキストの一つです。
日常会話表現をたくさん暗記しておく
日常会話でも話が込み入ってくるとまた別ですが、基本的には同じような言い回しがよく使われます。
なので、よく使われる言い回しを習得しておくと、聞き取り能力も格段に向上します。
おすすめなのが『中国語会話 とっさのひとこと辞典』。
良い点は、「掲載例文が膨大で、網羅性が高いこと」、「一文一文が短く、暗唱に適していること」 、「かゆいところに手が届くフレーズが多いこと」。
「かゆいところに手が届くフレーズ」というのは、「どこかで会った気がする」といった言い回しの微妙な表現であったり、「髪をとかした?」といった超具体的な日常表現のことですね。
掲載例文は非常に多いですが、ズボンのポケットにも入ってしまうくらいコンパクトです。
全部聞き取ろうとしない
つまり、完璧主義になろうとしないこと。
正直、相手の言っていることをすみからすみまで聞き取って理解するというのは、留学経験のある相当な上級者であっても難しいはずです。
おすすめしたいのが、全部聞き取ることを追い求めるよりも、聞き取れた一部から推測、想像して理解するやり方です。
要するに、聞き取れた一部から推測し、想像力を働かせ、「だいたいこういうことを言っているのだろう」という見当をつける。
その見当に基づいて、返事をすると、結構当たっていることも多いのです。
はっきりとは覚えていないのですが、母国語のコミュニケーションでもすべてを聞いて理解しているわけではなく、かなりの部分が推測で行われている、ということをどこかで聞いたことがあります。
中国語検定2級まで目指す
なぜ中国語検定2級までかというと、2級までは日常会話でよく聞いたり、使ったりする語彙や言い回しが多く登場するからです。
中国語の勉強を始めた頃は何とも思わなかったのですが、中国の方との会話をたくさん経験した後、検定用のテキストを見ると、「これは使える!」という例文、語彙、言い回しが多く目につくのです。
なので、日常会話で有用な語彙やフレーズに多く触れることができるので、中国語検定2級を目指す、ということも強くおすすめします。
中国検定2級を目指す、というのはもちろん2級だけのことではなく、準4級から2級までの勉強をする、ということですね。
おすすめなのは、以下の教材。
・『合格奪取! 中国語検定 3級 トレーニングブック リスニング問題編』
・『合格奪取! 中国語検定2級 トレーニングブック リスニング問題編』
聞き取ろうとする努力、姿勢も大事
いかがでしたでしょうか。
中国語の聞き取りは、短期間で飛躍的に向上するというものではありません。
でも、一歩一歩真面目に訓練を積んでいけば、確実に聞き取れる中国語は多くなっていきます。
しかし、もちろん聞き取ろうとする努力、姿勢というものも大事です。
相手の言っていることに耳を傾け、言いたいことを理解しようと努めること。
「中国語を聞き取ろう」と力むのではなく、相手の言いたいことに意識を集中します。
この姿勢だけでも、聞き取れる量というのは変わってくるので、案外バカにできないものです。