根性による3ヶ国語学習者の日記

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村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』の感想

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本の紹介。

『走ることについて語るときに僕の語ること』と題する、村上春樹の自伝的エッセイ、もしくはエッセイ的自伝です。

ファンの方ならご存知と思いますが、著者は、長年に渡り、習慣的に、走り続けています。本書は、走ることについて語ることを通して、自分という人間を、作家として生きるということを、できる限り、正直に、語ったもの。彼にとって、走ることと、書くことと、生きることは、分かつことのできないものなんですね。なんか哲学的、情熱大陸的で自分でも何を言ってるのかよくわからないですが、なんかそういうことみたい。

本書は読者を選びます。十分に楽しもうと思ったら、次の二つの条件を満たしているのがベストです。

1. 村上春樹のコアな読者であること

2. 走るという行為に、それなりの関心を有していること

 1については、なにせ自伝的なところのある本ですから、村上作品をほとんど読んだことのない人がこの本を読むと、いきなり他人の家に放り込まれたかのような困惑を覚えるだろうと思います。なんやこの見慣れないテーブルシートは、みたいな。あくまで、いくつか作品を読んできて、村上春樹という人間について詳しく知りたいと思うようになった人が読むものです。

2について。

安売りの卵を確実にゲットするための走り方を研究してるとかそういうことではありません。純粋な楽しみとして、もしくは健康法の一環として(あるいは両方)、習慣的に走っているか、走った経験があるか、ということです。どうしてその方が良いのかと言うと、走ることに関する、専門的というか、マニアックな記述が多く含まれているからです。例えば、こんな感じ。 

仕方ないから言うことを聞かない脚に見切りをつけ、上半身を中心にした走り方に変えてみる。腕を大きく振って上半身をスイングさせ、そのモーメントを下半身に伝える。(P162)

こういう記述を読んで、「ああ、あの感じね」ということが経験的にわからないと、やはり本書は全体としてつまらなく感じるかもしれません。

僕は、1年のうち気の向いた時期だけジョギングをしたりしますが、特に走り方とかのこだわりもなく適当なので、上記の記述を読んでもあまりピンとこなかったのはちょっと残念です。映画『マスク』で緑の男が銃弾をよけるシーンしか思い浮かびませんでした。

でも、走りながら彼の小説を読むくらいの人なら相当楽しめると思う。

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

 

 

 

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