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英語のニュースが聞き取れない、読めない!原因と対策はこちら→

英語

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英語力は英語力だけでは決まらない

英語学習者の夢と現実

スタバでドリップコーヒーのベンティ(Venti)を片手に、アップルのタブレットニューヨークタイムズエコノミストを読む・・・英語学習者なら一度は夢見るタイプの暇つぶしですが、実際、そのイメージに含まれる優雅さを実現するのは中々容易なことではありません。

それなりに真面目に英語を勉強してきた人にとっても、ニューヨークタイムズエコノミストをすらすらと読み、理解できる人は少ないと思います。知らない単語はそれほど含まれてはいないのに、なぜか理解できない。一体何が問題なのでしょうか。

話し言葉の9割、書き言葉の8割は、GSL単語でカバーされる

単語に関して言うと、話し言葉の9割、書き言葉の8割は、GSL と呼ばれる約2000語の英単語でカバーされます。GSLというのは、使用頻度や、それぞれの単語がどのような意味で使われるか、といったことを考慮し、多くの資料や専門家の経験に基づきまとめられた単語リストです。費用対効果、というか、労力対効果の高い単語から順に学ぶことができるので、ノンネィティブが効率良く英語を学ぶことができるとされます。

新聞やニュース番組の英語は割とシンプル

以上の事実からわかるように、一般向けの英語の新聞や雑誌(あるいはニュース番組でも)の中身は、それほど高度な単語や表現で溢れているわけではありません。ほとんどが基礎単語から成り立っています。にもかかわらず、読めない、理解できないということは、また別の問題があるはずです。

英語脳に切り替わると、政治経済が理解できるようになるわけではない

文法の基礎も問題ないということであれば、おそらく政治経済を中心とした一般教養の不足が原因である可能性が高いです。

考えてみると当たり前のことですが、日本語の新聞やニュース番組の内容がよく理解できないのに、それらが英語で理解できるはずがありません。日本語の漫才で真顔なのに、それが英語になってウケるわけがないのと同じです。

例えば次の英文(The Wall Street Journalより)を読んでみてください。

The yen’s fall has boosted exports and earnings at many companies(・・・)

使われている単語は高校レベル。この一文を読んで「なるほど」と、さっと理解できるでしょうか。単語の意味は知っているけれど、腑に落ちない感じが残るなら、背景知識の不足が問題かもしれません。

円の下落は、多くの企業の輸出と利益を押し上げた

日本語にしました。これで「なるほど」と、なりましたか。これでならないなら、まず英語力の問題ではないです。

この、英語としては平易な一文をきっちり理解するためには、円高や円安といった為替に関する基礎知識が必要になります。

情報に接し、「ほぉー」とか、「へぇー」とか、「ふ〜ん」という風に何らかの気づきを得たり、あるいは驚きや楽しみを感じるためには、まずその内容を理解できることが大事です。

一般教養の不足という現実と向き合い、日本語の本をがつがつ読もう。そしたら英語力も上がる。

高度な知識は必要ありません。

大学生や大学院生が読むような、何千円もする専門書で勉強する必要はまったくなく、一般向けの新書や各分野の入門書で十分です。それらを10冊も読めば、英語のニュース番組や雑誌記事に対する理解力が飛躍的にアップすると思います。それは見方を変えれば、英語力の飛躍的な向上でもあります。

語彙力を増強させたり、多読により英語に慣れることも大事ですが、それと同じくらい日本語で多くの背景知識を身に付けることが重要だと感じます。学ぶのに遅すぎるということはありません。「三権分立って何?」レベルの方でも、1ヶ月に1冊本を読むとして、1年もあれば、普通以上の教養を身に付けることができます。

英語力を向上させる日本語の本

政治編

政治編初級:『政治のことよくわからないまま社会人になった人へ』by池上彰

『政治のことよくわからないまま社会人になった人へ』は、政治について基礎の基礎から学べる本です。そもそも政府って何、政治家は何してるの、首相と大統領はどっちが偉いの・・・そんなレベルからでも読んで普通に理解ができます。これを読んで理解できないなら、たぶん何を読んでも無理なのではないか、そう思えるくらいの分かりやすさです。小学生からでも大丈夫かもしれません。

30分か1時間くらいで読めるものなのに、そこから得られるものは多く、かなりお得な本であると感じました。また、政治に関する知識にそれなりに自信のある方でも、自分の中の知識をすっきりまとめ、整理することができると思います。

はっきり言って、それなりの大学で政治を専門に勉強している人でも、この基礎の部分がしっかり身に付いている人はそれほど多くはないと思います。これ一冊しっかり読んで、理解すれば、平均以上の政治知識が得られます。そして政治に関する知識は、あらゆる社会問題を理解する上での基礎となるものなので、非常に重要です。

上記の本からさらに一歩踏み込んだ知識を得られるのが、これ。

政治編中級:『増補 池上彰の政治の学校』by池上彰

『増補 池上彰の政治の学校』は、同じく、池上彰さんの著書です。最初の本は、どちらかというと一般論や基礎概念の説明が多いですが、こちらは、それらの知識を使って具体的な政治の模様を見ていきましょう、といった感じです。かなり、面白いです。読んでいて、「おぉ、そうなんだ!」と、膝とか肩とか顔とか思わず叩いてしまいます。

官僚と政治家の微妙な関係・・・政治家と官僚の違いはよく理解できているでしょうか。

政治編上級:『日本の統治構造ー官僚内閣制から議員内閣制へ』by飯尾 潤

『日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ』は、やや難易度高め。「です、ます」体で書かれた上の2冊と違い、「である」体で書かれたやや硬い印象の受ける本です。

しかしながら、新書という一般向け書物であるゆえ、まったく理解不能というほどのものではあるまい。非専門家であっても、政治に関する基礎知識があれば、すらすらとは言わずとも、読んで理解することは可能である。池上なんとかの著書のような、若い女にこびたようなやわい解説本ばかりを読んでいても、硬派な教養人にはなれまいし、ましてや人間的な深みを得ることはできないだろう。政治というのは、一種の闘争であり、喜劇である。それを真に理解し、外から楽しめるようになるためには、自ら闘争し、それなりの汗と血を流す経験を経ていることが肝要である。それなしには・・・

とにかくおすすめします。新書に読み慣れていないと少し難しく感じられるかもしれませんが、最初の2冊以上に詳細に、構造的に、日本の政治を理解することができます。政治の基礎知識を身に付けた後に読む本としては、最適だと思います。 

経済編

経済編初級:『日銀を知れば経済がわかる』by池上彰

『日銀を知れば経済がわかる』は、日銀を軸にして経済や金融のイロハを解説したものです。日銀と聞くと、難しそうで腰がひけてしまいそうですが、そこは心配いりません。予備知識なしでも、十分に読み通すことが可能です。

お金が誕生した経緯、近年話題の金融緩和、日本の財政と深い関わりのある国債、そんな経済ニュースを理解するのに欠かせない基本事項を学ぶことができます。

つい最近まで安倍政権は「異次元の金融緩和」と盛んに唱えていましたが、おれ(あたし)にとったら金融緩和という用語自体が異次元や!という方にオススメです。

『池上彰の経済のニュースが面白いほどわかる本』とセットで読めば、一般人としては立派な経済通です。マジで。

経済編中級:『景気ってなんだろう』by岩田 規久男

『景気ってなんだろう』は経済に関する入門書としては同じですが、上の2冊よりは、細かいところまで踏み込んでいます。名目賃金と実質賃金の違い、対外直接投資、消費の資産効果・・・経済の専門家にとってはイロハのイですが、普通の人にとっては馴染みのない事項(といっても新聞記事などで普通に登場するものですが)を学びます。最初の2冊とかぶる部分も多いものの、経済に対する理解がより深まるはずです。

できれば、『マクロ経済学を学ぶ』とセットで読みたいですね。

経済編上級:『国際金融入門』by岩田 規久男 

『国際金融入門』は、入門と書かれてはいますが、はっきり言って難易度はかなり高めです。さらさらーっと読んで、さらさらーっと理解できるタイプの書物ではないです。もし電車の中でこの本を苦もなさそうにぱらぱらとページめくっている人を見かけたら僕はたぶん、「あなた、ぜったい理解できてないでしょ、それ。ぜったい読めてないわ。うそーん、じゃ並為替と逆為替の説明ちょっとしてみて、冒頭にあったでしょ」みたいなことを、心の中で言うと思います。 

理解しながら最後まで読み通すのは大変ですが、それだけのものは得られます。新書としてはかなり密度とクオリティーが高いです。

本書のはしがきにはこう書かれています。

「本書は、なぜ円高になるのかといった、一般の読者が特に興味があると思われる国際金融の諸問題を、国際金融の仕組みや経済学に関する基礎知識を前提とせずに、できるだけ分かりやすく、しかし程度は落とさずに、解説しようとしたものである。本書を読めば、新聞の経済記事や経済ニュース、さらに、経済雑誌の論文を不自由せずに理解できるようになるはずである」

程度を落としていないんですね。

歴史編

政治経済の基礎知識があれば、歴史の本はだいたい苦労なく読めると思うので、初級や中級の区別なく紹介します。

池上彰の「そうだったのか!」シリーズ

歴史を知るなら、池上彰さんの「そうだったのか!」シリーズがオススメです。何冊も出ていますが、次の3冊を読むことをおすすめします。

『そうだったのか!現代史』

『そうだったのか!アメリカ』

『そうだったのか!中国』

最初のものは、冷戦、ベルリンの壁ソ連の崩壊、朝鮮戦争ベトナム戦争といった、現代史を語る上で欠かすことのできない主要事件を解説したもの。どれも、ニュース番組や新聞雑誌などの記事で、しばしば引き合いに出される大きな出来事です。

後の2冊は、タイトル通り、アメリカと中国の近現代史を解説したものです。大国ゆえ世界に大きな影響を与えるためか、何かと両国に関するニュースは多いですね。日本のニュースでも何かあれば、中国、アメリカです。

なぜ朝鮮半島は、北朝鮮と韓国に分かれていて両国は仲が悪いのか、社会主義はなぜうまく機能しなかったのか、中国はどのようにして今のような劇的な経済成長の軌道に乗ることができたのか、そのあたりのことが、上の3冊を読めばよくわかります。今の国際情勢に対する理解が飛躍的に高まることは間違いありません。

おわりに

長くなりましたが、いかがでしたでしょうか。これらの本を読み、しっかりと理解すれば、英語のコンテンツを読んだり、聞いたりする際の理解力はずいぶんと向上すると思われます。BBCやCNNのニュースを「ふーん」と、軽く理解できるくらいのリスニング力(あるいは読解力)を身に付けるには、英語だけを勉強していてもダメ。日本語でまず背景知識を身に付けることが大事なんですね。

今日は英語力を向上させる日本語の本の紹介でした。

お疲れ様です。

yaseteru.hatenablog.com