3分で簡単に解説!中国の一人っ子政策の歴史

スポンサーリンク

China 2049

China 2049

 

  

今年、中国で「一人っ子政策」の撤廃が決定されましたね。英語で「one-child policy」(ワン チャイルド ポリシー)。生まれた子供はそのまま野原に放ち、一人でも生き延びる、生存力のある子供を増やしていこう、というものです。というのは、嘘です。ここでは、長年続いた中国の一人っ子政策というものについて振り返っていきたいと思います。

 

・「一人っ子政策」は堂本光一が生まれた年に始まった

一人っ子政策」は、もともと人口の増加を食い止めるために1979年に始まりました。ちょうど、タレントの堂本光一さんが誕生した年です。一人っ子政策」とは、一組の夫婦が作って良い子供の数は、一人までで、それに違反した場合は罰金、というルールです。

・では、どうして人口の増加を食い止める必要があったのか?

その背景にあったのは、今の中国を建国した毛沢東(もうたくとう)が実施した人口増加策でした。彼は人口こそが国力の源(みなもと)であると考え、もっと生殖活動をして、産めや、育てや、とキャンペーンを実施しました。で、その結果なにが起こったかというと、食料危機です。身体の大きさこそが、人間の力の源であると、めっちゃ飲み食いした結果、胃袋が膨らんで食いもん足らんくなった、というような感じです。

で、それを反省して、毛沢東の死後に過剰な人口増加を抑制するために「一人っ子政策」が導入されたわけです。

そうすると今度は、「若い人が少なく、お年寄りが多い人口構造」という少子高齢化問題が持ち上がってきて、それが今回の「一人っ子政策」撤廃の発表につながりました。


毛沢東「どんどん子供産め!」
     ↓
  食料危機発生
     ↓
一人っ子政策「一人以上子供産むな!」
     ↓
  少子高齢化問題
     ↓
 「一人っ子政策」撤廃      ←今ココ。


・どうして世界一の人口大国が、子供を増やさなければならないのか

少子高齢化の何がいけないって、いろいろありますが、まず働き手が減るので、国全体の「稼ぎ」が減ります。そして、退職した高齢者に比べ、現役の働き手が少ないと、働き手一人あたりの自由に使えるお金が減ります。高齢者に年金やなんやかんやを与えるために、国は労働者の給料から色々天引きしていきますからね。

そうすると国内の消費が減り、景気が悪くなって、社会不安が増大する。社会不安が増大しすぎると、国民の怒りが爆発して、中国政府を打倒する、みたいな運動が全国で広がりかねません。中国政府としては、このような事態は何とか避けなければならない。そのためには、人口ピラミッドのバランスを整え、安定して経済が成長していくような基礎を維持していく必要がある。

そうした問題意識が、今回の「一人っ子政策」の撤廃につながったわけですね。なんで世界一の人口大国がわざわざ人口を増やさないといけないのか、と疑問に思われる人もいるかもしれませんが、問題は、人の数そのものというよりは、「退職した高齢者と現役の労働者のバランス」なんですね。


・中国の人口密度が日本並みになるとヤバイ

ちなみに、どうでもいいことですがー、

現在、中国の人口は、約13億人で、多すぎー!って思われるかもしれませんが、人口密度でみれば、日本の方がずっと多いんです。日本の人口密度は、337人/㎢ですけど、中国は140人/㎢。日本の1平方キロメートルあたりの人口は、中国の約2.4倍です。そしてもし、中国の人口密度を日本並みに引き上げると、中国の人口は・・・

 


約31億人になります。

 


もう、想像、したくない。