日本一わかりやすい朝貢の解説

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朝貢という言葉は誰でも一度は耳にしたことがありますね。でも、その意味をしっかり理解している人というのはあまり多くはないと思います。せいぜい「なんか中国にみやげを送って、お礼をもらう・・・」程度にしか考えていないかもしれません。それってただの物々交換やんけ・・・みたいな。

でもこの朝貢という概念は、中国を語る際に欠かすことのできないものです。というより、評論家たちは、中国を語る際、何かにつけてこの「朝貢」という言葉を引っ張り出してきます。女子高生を語るには、その制服を語らねばならぬ、といった感じです。

・朝貢の理想と現実

朝貢というのは、一言でいえば、「金品で他国を従わせる中国流の外交手法」です。

ええ、朝貢ってそんな汚い内容だったっけ、と思われた方もいると思いますが、ある意味それは正しい反応で、実際、朝貢とは本来はこういうものではないです。本来は、「中国という、徳が高く、文明の発達した国を慕って(したって)、自然に周辺の国々が中国を尊び、貢物(みつぎもの)をその皇帝に送り、そして皇帝はその国々に対し多くの返礼品を与える」というものです。これが理想。

でも実際には、周辺国は、中国を尊敬して、というよりかは、実利的な損得勘定から中国に朝貢することも多かったようです。

・朝貢は、実は中国に不利?

「他国が中国の皇帝に貢物を送って、皇帝が返礼品を与えること」がなぜ中国にとって「金品で他国を従わせる」ことになるのでしょうか。

朝貢の習わしとして、中国の皇帝は、受け取った貢物(みつぎもの)よりも、もっと価値ある品々を返してやる必要があります。つまり、朝貢は、物の受け取りという点で見れば、周辺国(貢ぐ側)に有利で、中心国(中国)に不利なかたちになっています。

では中国はなぜ、わざわざそんなことをするかというと、それは相手国より自国の方が上の立場にいるということを内外に示すことができるからです。逆に言うと、「貢ぐ(みつぐ)」ということは「献上(けんじょう)」するということ、つまり相手が自分より偉いということを認めるということになります。

貢ぐ側は、中国に仕える(つかえる)ような行動を取るだけで、たくさんの品々(経済的利益)を得ることができる。一方、中国は、たくさんの品々を与えることによって、「名誉」や「国際的地位」を手に入れることができるのです。まさにウィンウィンの関係です。

・結局、わかりやすく言えば・・・

たいして社会的地位がない人でも、ブランドもののバッグや時計を買って身につけるだけで、なんとなく周りの人間よりも上にいるかのような気分になれたりしますね。実際の朝貢っていうのもそんな感じですね。ただ、理想の朝貢のかたちは、上に書いた通りですよ!

※この記事では、「中国」という言葉を、現在の中華人民共和国だけでなく、かつて中国大陸にあった様々な王朝を含めた広い意味で使っています。 

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